2018年11月11日(土)
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マレスケの虹
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マレスケの虹(小峰書店)森川成美作
次々長編を出版されている森川さん、「アサギをよぶ声」シリーズが有名ですが、ご自身のルーツがハワイに通じていらっしゃるとか…。ハワイが舞台の「フラフラデイズ」とは全く違った読み応えのある作品でした。
舞台は、1941年〜1944年のハワイ。主人公はコニシマレスケ〈マレスケは、熊本からハワイへ移住したじいちゃんがつけた名前)。日系3世である、マレスケはアメリカ人として誇らしい気持ちをもっており、放課後に通う日本語学校に複雑な思いをいだいている。そんな12月のある日、パールハーバーが日本の戦闘機に爆撃された…。戦時下で揺れ動く少年の気持ち、理不尽な社会が見事に描かれています。
志願兵になりフランスで戦死した兄の手紙に書かれた、「どっちがの味方をしてどっちかの非難をしなくてもいい世の中がくればいい」という一文が、心に残ります。
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