2016年03月06日(日)
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黄砂にいどむ
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高橋秀雄さんの新作ノンフィクション, 「黄砂にいどむ」 をご紹介させていただきます。
★★★★★
物語をたくさん書かれている高橋さんの、ノンフィクション、とても新鮮でした。 宇都宮大学の一前宣正教授へのインタビューを重ねながら、 かかれたそうですが、子供向けに「砂漠化の現状」や、「緑の再生の試み」が、わかりやすくかかれています。
草は、氷河期の厳しい環境を生き延びてきた植物なのに、人間の都合で作物以外の草を邪魔者扱いしはじめてから、雑草とよばれるようになったこと。 雑草の中にも、「耕地雑草」と「路傍雑草」とがあること。 織り込まれている情報も、トリビアでした。 へー!! 身近な草のこと、なにも知らなかったなあ…と、 読み進めると、こんどは、古典文学にたくさんの植物が登場し「鳥獣戯画」にも秋の七草が出てくるとの、あたらしいなるほど情報も…。 むずかしいテーマも、こんな風に書かれていると、 途中で興味を失わずに、読み進められるのだなあ…、 と、あらためて、思いました。
それにしても、一前教授はじめ研究者の方たちは、2万種類以上のタネを試し、ようやくスイッチグラスと出会い、その研究を若い中国の研究者に引き継がれたとのこと。その長い年月…を思うと、なにごとも希望を捨てずにやりつづけていくことの大切さを思った読後でした。 出会えてよかったすばらしい1冊です。
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