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2015年08月15日(土)
空にさく戦争の花火
高橋秀雄さんの新刊
「空にさく戦争の花火」(今人社)を
ご紹介。

★★★★★

花火は、美しいし、死者の魂を鎮魂するという意味ももっているそうですが、この本の主人公、シンゴのひいおじいさんは、花火がだいきらいでした。その音も煙も、艦砲射撃をおもいだすからです。
戦争を生き抜いても、何十年たっても、消えぬ恐怖をかかえていかねばならない…そんなことを、しみじみ思った一冊です。
画家さんは、「丸出ダメ夫」の作者、森田拳次さん。
お話にぴったりのイラストです。

今人舎の「戦争を語り継ぐための合作絵本」シリーズ、いいですねえ。

画像がうまく取り込めず、小さくなっていますが、とても
印象深い表紙です。



2015年08月14日(金)
太一さんの戦争
丘修三さんの新刊
「太一さんの戦争」(今人社)を
ご紹介。

★★★★★

太一さんは、国の役にたちたかった。なのに、戦争にいくまえに亡くなりました。
 グンタイハ キライダ。
 ジョーカンノ バカタレ。
という言葉をのこして…。

戦争が戦わせるのは、敵味方ばかりではない…。
いえ、敵ってだれ? だれが味方?

涙なしには読めない1冊でした。


2015年08月13日(木)
三月十日の朝
最上一平さんの新刊
「三月十日の朝」(今人社)
をご紹介。

★★★★★

東京大空襲を題材にしていますが、
あたりまえだった子供たちの平穏な日常が突如なくなってしまう戦争の愚かさを、淡々と描いています。
漫画家、花村えいこさんのイラストが胸を打ちます。

このシリーズは
「戦争を知らない児童文学作家」と
「戦争をよく知る漫画家」とが
戦争をかたりつぐために合作。
子どもたちの五感にうったえる作品をつくりたいという
コンセプトで作られたそうです。
その思いが伝わってきます。

戦後70年。
戦争をしっている世代の方が少なくなっていくなか、こどもたちも、是非語りついでいきたい…1冊です。







2015年04月19日(日)
ことづて屋
濱野京子さんの新刊、
「ことづて屋」(ポプラ社)
をご紹介。

★★★★★

出版社さんの紹介文より…

「お言伝てを預かっています」山門津多恵の頭には時折、死者からの伝言がひびいてくる。宛てた人物にその言葉を伝えるまで、津多恵は楽になれない。見ず知らずの人物を訪ねるために外見を装うのを、美容師の恵介が手助けしている。幼くして死んだ娘から母親へ、放蕩息子から父親へ、少年院の中から親友へ…。伝えられた言葉は残された人に何をもたらすのか。痛みをかええた心をほぐす、あたたかくやさしい物語。

★★★★★

児童書も、ヤングアダルトも書かれるプロ作家さん濱野さんの大人向け作品です。
本屋さんに平積み! さすがですね。

なにしろ、冒頭の一章にがっつり引き込まれます。

死者からのことづてという深刻なモチーフを扱っていながら
暗くないと感じたのは、死者の姿より物語のところどころに、下町の風景が鮮やかに描かれていることや、重くなりそうな場面で、食べ物がでてきて、ふっと空気をかえていること…などかもしれません。

おりしも、この本をよんでいたときに、ドイツの飛行機事故のニュースがとびこんできました。
日本人もふたり乗っていたと聞いた瞬間に、ああ、乗客のほとんどの方が、なにか言い残したいことがあっただろうな…と思いました。
震災もそうですが、ふとした瞬間に、とても死が身近に
感じられますね。それを怖いと感じるか冷静にうけとめるか…。
そんなことも考えさせられた作品でした。


2015年04月15日(水)
絵師になりたかった少年
茂木ちあきさんの新刊、
「清政 絵師になりたかった少年」(新日本出版社)
をご紹介。


★★★★★

出版社さんの紹介文より…

天明期の江戸。地本問屋・白子屋の跡取り息子・政之介は、気まぐれながら人一倍利発な子どもだった。物心ついた頃から絵筆を握り、手当たり次第に描いた。鮮やかな「錦絵」は江戸の庶民に人気があった。大店の跡取り息子が他の仕事につくことなど考えられない。しかし、政之介は絵師になる夢をあきらめきれずにいた――。

★★★★★

江戸時代が大好きなのは、私だけではないと思うのですが
特に、浮世絵師、東洲斎写楽の活躍した時代はとても魅力的です。
円熟した文化を楽しんでいた江戸庶民を、にわかに
節約路線を断行して取り締まった松平定信の「寛政の改革」は、教科書でかならず登場しますし、その時代にすばらしい浮世絵の傑作を生みだしながら、
正体がいまだ謎…という写楽を、テレビでは水谷豊さんが魅力的に演じていましたね。

そんな魅力いっぱいの写楽の謎を、写楽の少年時代にスポットをあてて描いているこの本、いっきに読んでしまいました。
歴史にまだ詳しくない子どもたちにも、とてもわかりやすく面白くかんじられることと思います。

ほんのり淡い恋心や、少年の友情もさわやか、心に残る一冊です!




2015年04月14日(火)
「医者になりたい」夢をかなえた四人の女性
島田和子さんの新刊
「医者になりたい」夢をかなえた四人の女性(新日本出版社)
をご紹介。

★★★★★

出版社の紹介文より…

女性の地位がまだ低く、なにをやるにも困難だった時代。筆舌に尽くしがたい苦労をしながら、医者になるという夢を実現させた四人の女性たちがいました。「女に学問はいらない」と言われ、学校に入学することさえ困難だったにもかかわらず、強い意思とバイタリティで道を切り開いた四人の生涯をたどる連作ノンフィクション

★★★★★

厳しい時代を、たくましく生き抜いた女医の先駆者ともいえる人物に的をしぼり、短かめにわかりやすく彼女たちの人生を物語る…という短編連作形式。
一気読みをしなくても、ゆっくり、一章、一章を味わって読めるのがとてもいいです。

特に、1章の、シーボルトのむすめー楠本いね、の話は、大変興味深いものでした。
横暴な夫と別れ、ひとりで出産し産科を開業…、そして父との再会! 読み進めていくうちに、名前だけはしっていてもその後のことを全く知らなかったのでいねという女性の姿が鮮明にうかびあがってきます。

医学の道をきりひらいてきた、波乱万丈な女性たち、どれも魅力的でした。


2015年03月20日(金)
こぶたのタミー(国土社)かわのむつみ・作、下間文恵・絵
おかげさまで、毎日小学生新聞に連載したお話(幼年童話)
「こぶたのタミー」を単行本として出版していただくことができました!

★★★★★

主人公は、やせっぽちでしりたがり屋の、こぶたのタミー。
そして小学校2年生の女の子、マキちゃんです。

横浜動物園のポスターなども手掛けていっらっしゃる
下間さんが、全ページに可愛いイラストを配してくださっています。おかげで、友人からは「タミーかわいい〜!」「すてきな絵本!」という好評をたくさんいただきました。

HP更新のおそい私より先に、早々に…、そしてその後も…
たくさんの作家さんが、とても素敵に、ブログでタミーの紹介をしてくださっています。


高橋秀雄さん
http://red.ap.teacup.com/busofmoonnight/2888.html

赤羽じゅんこさん
http://blog.goo.ne.jp/jakahane/e/0de80398d64c3e52461c4210aef9f106

牧野節子さん
http://makisetsu.exblog.jp/24267065

おおぎやなぎちかさん
http://blog.goo.ne.jp/magoyasiki/e/2b88731174cd21498a36b126adc70f0e

森川成美さん
http://saffibarinkay.blogspot.jp/2015/03/blog-post_29.html


加藤純子さん

http://blog.goo.ne.jp/junko_blog/d/20150410


ひげうさぎさん


他にも、ツイッターや、フェイスブックでご紹介くださった方、どうもありがとうございました!


本屋さん、図書館で見かけたら、お手にとっていただければ、幸いです。
タミーがたくさんの人に可愛がっていただけることを願っています。
どうぞよろしくお願いいたします。





2015年03月01日(日)
ふしぎ日和
ふろむの同人仲間、田沢五月さんのお話が収録された
アンソロジー本「ふしぎ日和」((主婦の友社)が発売されました。

★★★★★

本の帯のことばをおかりしますと、
「不可解で奇妙な出来事というものは
わたしたちの日常のごくごく普通の場面に
ひょっこり現れたりするもの……」

たしかに、不思議だけれど、うんうん、こういうことって
あるわ〜……と、思わず引き込まれてしまうお話ばかりです。

田沢五月さんの『山小屋』は、本のラストを飾っています。
また、森川成美さんの『うたう湯釜)』も、さすがの筆力です。

文庫さいずは、電車の中で読むにもぴったり!


2015年02月28日(土)
あかつきもりのルピとルナ
創作グループ『ふろむ』の仲間である
みうらなおさんが、昨年絵本をだされました。そして
はやくも第2巻が発刊になりました。

★★★★★

『ふえとすずのひみつ』(国土社)

とちの木のようせいルピと、すずかけの木のようせいルナは
ひろいせかいを見たくてたまりません。
あるひ、思いきって出かけてみるとおもわぬ出会いが…。
ふえとすずには、どんなひみつがかくされているのでしょう。
どうぶつたちや、ルピとルナのイラストがとても愛らしく
こころがほんわりあたたまる、素敵な絵本です!

★★★★★

『おばあちゃんのりんごパイ』

シリーズ第二作!
かわいい森のどうぶつたちと、ルピとルナが、あいかわらず可愛いです。
りんごパイ、おいしそう〜。


2015年05月月29日(金)
あひるの手紙
中野サンプラザでひらかれた、日本児童文学者協会主催の学習交流会にいってきました。
例年、いろいろなゲストの方を招いて開かれる学習交流会ですが、今年は、異色ともいえるゲスト。
落語家さんの古今亭菊之丞さんでした。生の落語は、いままでに数回しか聞いたことがないのですが、あらためて、その魅力にふれ、楽しく有意義な時間を過ごしました。
テレににも出演されている菊之丞さんですが、さすが、落語だけでなくトークや、質問にたいする受け答えも絶妙でした。
とくに印象に残ったのは、
ほれぬいた対象(落語や文学)と、どう接していけばいいのでしょうか? という質問にたいし、
「趣味でやっているときは、楽しいけれど、それが商売になると、大好きなものに苦しめられる。それでも、それをのりこえたときに、また新しい喜びがまっている…。若い時、うまくできなかった落語も、年月がたち、体ができてくると、いつのまにかできるようになる…」
といったニュアンスのおはなしをしてくださったところです。
こうした、質問や、トークの掛け合いをしながら話をしてくれたパネラーさんは、落語や漫才をテーマに、本を書いた作家さんたち。どんな風にむきあって、しらべて、書いたか…、おしみなくたくさんのヒントを話してくださり、とても充実した、学習交流会でした。

夜は、日本児童文学者協会賞などの文学賞贈呈式とパーテイがありました。
今年の協会賞は、
朽木祥さんの「あひるの手紙」が受賞されました。
朽木さん、初めて拝顔しましたが、素敵な方でした。

の画家さんは、ささめやゆきさん。拙作「やまのうえのともだち」や、「シロとクロ」にも絵をつけてくださった方です。パーテイで、久々にお会いすることができ、うれしかったです。








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