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 魔女は、四番目のお星さまにぶつかってしまい、
おわびに自分の青いぼうしをプレゼントすると、ほうきのスピードをあげました。
「こんどこそ、まっすぐ家へ帰らなくちゃ!」
もう、魔女が身につけているのは、たった一枚の布切れでできた青い服だけです。
五番目と六番目のお星さまのそばをとおりすぎると、ふたつのお星さまは、
ひらひらと手をふってくれました。

 そして、七番目のお星さまの横を通り過ぎようとしたときです。
「ねえ、はなしがあるんだ!」
お星さまが魔女を呼びとめました。
「本物の魔法使いになりたくないかい?」
魔女は、思わずほうきを止めました。
七番目のお星さまが言うには、もし、魔女が持っているものをくれれば、
魔女を本当の魔法使いにしてくれる、というのです。
でも、残っているのは、身につけているたった一枚の服。
あげることは、できません。
いいえ…、もうひとつ。ほうきです。
お星さまが欲しかったのは、空飛ぶほうきなのです。

 七番目のお星さまは、もう長いこと、空の同じ場所から動いていませんでした。
それは、ほかのお星さまだって同じなのですが、七番目のお星さまは、人一倍、
いえ星一倍、好奇心が強かったので、もっと遠くまで冒険がしたい、
と思っていました。
地上まで降りていって、動物たちとかくれんぼをしたり、
海の中にザブンと飛び込んだり、そんなことがしたかったのです。
夜になると遠くへ行ってしまうおひさまを どこまでも追いかけてみたい!
そんなことも考えていました。

 魔女は、どうしたかって?
そう、若い魔女は、大切な空飛ぶほうきを…、お星さまにあげることにしました。
なぜなら、お星さまが空を飛びまわりたいのと同じくらい、魔女も、
本物の魔法使いになりたかったのです。

 ほら…、今も夜空を見上げると、
冒険好きの七番目のお星さまが、ほうきにまたがって、
あっちのはしからこっちのはしまで、ヒュウーン…、
空のてっぺんから水平線まで、シュウー…、なんて飛んでいることがありますよ。
そして魔女は、本物の魔法使いになるために、
七番目のお星さまと一緒に夜空を旅しながら、魔法の修行にはげんでいます。

 これで、わかったでしょ?
流れ星にお願い事をすると、かなうわけが!

おわり